先駆的なコミッション

コラボレーションを通した創造性

今日の最も刺激的なコンテンポラリー・アーティストやクリエーターからの新しい先駆的な作品をご覧ください。

2020年、ミューズが『Art of Perfection: Data Painting』を発表しました。 これは、高い評価を得ているアーティスト、レフィック・アナドル氏による魅惑的なデジタルアートワークで、ロールス・ロイスのアートプログラム「ミューズ」の依頼を受けて制作されました。

 

人工知能とデータセットを用いて作成されたLEDの「キャンバス」は、現在最もエキサイティングなアーティストやクリエーターのためのコミッション・プログラム「ミューズ」の核心にあるイノベーションの精神を反映しています。

 

コラボレーションを振り返って、アナドル氏はこう言います。「ロールス・ロイスのプロセスと私のプロセスには、機械と機械の知能を利用して美のビジョンを実現するという点で、直接的な相関関係があります」『Art of Perfection:Data Painting』では、過去10年間にホーム・オブ・ロールス・ロイスのグッドウッドで開発されたすべての車の塗装色を反映したデータセットを使用しています。アナドル氏はこの「複雑な計算データ」にアクセスすることに「ワクワク」したと言い、それが彼の「原料」となりました。

レフィック・アナドル『Art of Perfection:Data Painting』(2019年)(ロールス・ロイスのアート・プログラムのコミッション)

画像はロールス・ロイス・モーター・カーズ提供

A dark, flowing textured background, a shot from Refik Anadols' 'Art of Perfection: Data Painting', 2019

「ロールス・ロイスのプロセスと私のプロセスには、機械と機械の知能を利用して美のビジョンを実現するという点で、直接的な相関関係があります」

アーティスト
レフィック・アナドル

アナドル氏は、ミューズのプログラムに参加するアーティストの一人です。他にもミューズのプログラムには、自然界の理解を深めるために新しい画像化技術を使用するアーティスト、ダン・ホールズワース氏の新しいコミッションも含まれています。

2018年に制作されたホールズワース氏の『Acceleration Structures』は、3つのアルプスの氷河の複雑な地形を地図化し、技術的なディテールと美しさを兼ね備えた画像の中でそれぞれの新たな側面を明らかにしています。

Dan Holdsworth section backplate, shows a darkened shot of his artwork, 'Acceleration Structures'

ダン・ホールズワース『Acceleration Structures』(ロールス・ロイスのアート・プログラムのコミッション)

画像はロールス・ロイス・モーター・カーズ提供

もうひとりのアーティストは、先駆者的な映像作家、中国のヤン・フードン氏。中国の神話や忍耐と意志の美徳に注目しています。これらの重要なアーティストたちの作品はすべて、テクノロジーと環境への配慮が私たちが共有する未来のために最も重要であるという、目まぐるしく変化する世界に影響を受けたものです。

Yang Fudong Introduction background image, a black and white image depicting a woman sitting utop rocks in a craggy environment

ヤン・フードン『Moving Mountains』(2016年)

(ロールス・ロイスのアート・プログラムのコミッション)

革新的な新しい作品を生み出すアーティストをサポートするために、ミューズでは2つのコミッション・イニシアチブを取っています。1つ目は「ドリーム・コミッション」で、2年に1度、動画を専門とする新興または中堅のアーティストを対象としたコミッションです。選ばれたアーティストは、実験映画、アニメーション、拡張現実、バーチャルリアリティ、インスタレーションなど、さまざまな媒体で作品を制作することができます。2020年10月には最終候補者が発表され、2021年にはファイナリストのコミッションがお披露目されます。

アーティストのアイザック・ジュリアン氏にとって、ドリーム・コミッションは、アーティストにとって「自分たちの美学を発展させ、心に響く作品を作るための自主性が持てる領域に飛び込むための空間を持つことができる」貴重な機会であるといいます。2015年、ミューズの依頼により、ジュリアン氏はアイスランドの風景の美しさを探求する映画『Opaline Blue (Stones Against Diamonds)』を制作しました。加えてジュリアン氏は、「アーティストのキャリアにおいて、コミッションを受けることはとても重要なことです」と、述べています。

アイザック・ジュリアン『Under Opaline Blue (Stones Against Diamonds)』(2015年) アーティストおよびVictoria Miro(ロンドン/ベネチア)提供

(ロールス・ロイスのアート・プログラムのコミッション)

「アーティストのキャリアにおいて、コミッションを受けることはとても重要なことです。私に革新するための場所を与えてくれました」

アーティスト
アイザック・ジュリアン

2年に一度、新しいドリーム・コミッションが、芸術界全体を代表するノミネーターの方々、および学芸員、美術館長、アーティスト(ジュリアン氏を含む)で構成される審査員による国際的な選考プロセスから始まります。最終的に選ばれた作品は、世界有数の芸術機関、バイエラー財団美術館(スイス)およびサーペンタイン・ギャラリー(ロンドン)とのパートナーシップのもとで作成され、発表されます。

ミューズの2つめのコミッション・イニシアチブは、イノベーションを重視する一方で、デザイン、建築、ファッション、工芸などへとクリエイティブな分野を広げています。「スピリット・オブ・エクスタシー・チャレンジ」は、世界中から3人のヴィジョナリーを招き、1世紀以上にわたってロールス・ロイスのすべての車のボンネットを飾ってきた彫刻の姿に新たなイメージを与えてもらいます。

スピリット・オブ・エクスタシー・チャレンジの第1回目は、参加者を招待して、テキスタイルを使ったデザインを制作してもらいます。それぞれが媒体の限界に挑戦し、サプライズ、喜び、感動を与えるオブジェクトを作成することを奨励します。

また、ミューズは、新しい考え方を創造し、探求したいという弊社のやむことのない欲求を共有するアーティストを支援するという使命を反映し、美術館のパートナーをサポートしています。過去の展覧会には、2020年にサーペンタイン・ギャラリーで開催されたツァオ・フェイ氏によるイギリス初の大規模な個展『Blueprints』などがあります。この展覧会は、映画、拡張現実、バーチャルリアリティを用いて、私たちが進化し続ける都市をどのように移動しているかを探っています。そして、ミューズの重要な目的の一つである「インスピレーションを与えること」を実現しています。