Serenity のテキスタイルを作成した達人

東洋の伝統にインスピレーションを得たSerenity PHANTOMは、最高品質の輸入シルクが張られています。インテリアを飾る桜の木を手書きした、カラー・アンド・マテリアル・デザイナーのチェリカ・ヘイをご紹介します。

PHANTOM inspired by Serenity Textile Mavenを製作中のアーティスト

チャイニーズ・シルクが贅沢さの尺度

Serenity PHANTOMの後部座席でくつろぐことは、平穏そのもの。それは桜の木々の下で独り内省するために、極東の皇帝が個人庭園に凝る東洋の伝統を思い起こさせます。Serenity PHANTOMを包む満開の花のモチーフは、今日、希望と再生の象徴として見なされています。

花のデザインのクリエーターはチェリカ・ヘイです。2013年ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートにおける最終学年度のショーを見て、デザイン・ディレクターのジャイルズ・テイラーが直接雇用しました。グッドウッドのホーム・オブ・ロールス・ロイスで職に就いたすぐ後に、ヘイはSerenity PHANTOMの彼女のビジョンに取り組み始めました。彼女はこの任務で、何世紀にもわたり中国王朝へ世界最高峰の絹の刺繍を収めていた中国の蘇州市のサプライヤーを訪れました。ここで、地元の職人によって絹の生糸の手染という６カ月の過程が始まりました。

ヘイとテキスタイル・デザイナーのパートナー、ミシェル・ラスビーは、Serenity PHANTOMのインテリアを飾るのに必要な10メートルの布を手作業で織るために、エセックスにある英国最古の工場の一つに染色された絹を持ち帰りました。２人は共に、早くからその豊かさと贅沢さゆえ、そのシルクを直線織りにすることを決めていました。

ヘッドライナーに桜の木の大枝をデザインするためにヘイは、「アンコンシャス・ペインティング」と呼ばれる画法を用いました。「完全にリラックスする必要があります。それからただ単に、手が貴方の心を導くままに描きます。その逆ではなくて」と、彼女は説明します。「私たちにぴったりの手法です。私たちがそのデザインに求めていた全てに一致します。」

桜の花の刺繍が施されたロールス・ロイスPHANTOM inspired by Serenity Textile Mavenのインテリア・ショット

Detail of the hand-painted blossom trees that adorn the interior of the Rolls-Royce Serenity Phantom

PHANTOM inspired by Serenity Textile Mavenのダッシュボード

２人はその手書きの絵がとても気に入ったので、刺繍で覆わないことに決めました。だから仕上がった芸術作品は、シルクの上に手書きと刺繍の花が入り混じっているのです。ヘイは、一つ一つの花びらをどこに置くか、またどの花を刺繍ではなく手書きで残すかをきめ細かに選びました。それからその布は、そこでの比類ない刺繍のスキルを利用するために蘇州に戻されてから、またグッドウッドに帰ってきました。

「シルクを使うアイデアは、車に美しい生地を復活させたい思いからでした」と、ヘイは説明します。「1900年代初頭にロールス・ロイスのリヤ・コンパートメントが打ち立てた最高水準のラグジュアリーを再考するのは当然のことです。私たちの遺産の素晴らしい部分を、今、私たちのブランドDNAに再導入しようとしています。」

「今ある最高のものを基に、それをさらに良くしなさい」という哲学に突き動かされ、、ヘイとラスビーは職人技のインテリアを創造し、このロールス・ロイスは唯一無二の車となりました。