地上最高速度を3度更新した超高速マシン、サンダーボルトの活躍にインスピレーションを受けたコレクションカー。ロールス・ロイス史上最もパワフルなモデルのひとつであるBlack Badge WRAITH Black Arrowは、サンダーボルトの勇敢なスピードの遺産を体現しています。
このコレクションの名称は、サンダーボルトの3番目のバージョンに由来しています。炎天下の中、サンダーボルトのアルミボディが計時装置を通過するタイミングを見極めるのは困難でした。そこで、高速走行時でもクルマが見えるようにする工夫として、黒い矢印と黄色い丸のモチーフを側面に大きく描くことにしたのです。
1938年9月16日、ジョージ・エイストン隊長とレースカー「サンダーボルト」は、前日にジョン・コッブに奪われた陸上速度記録の奪還に挑みました。3度目の挑戦となるこの時は、サンダーボルトのフィンを戦術的に除去し、完璧な流線型のボディを実現しました。
記録更新の舞台となったのは、米国ユタ州のボンネビル・ソルトフラッツです。並外れたスピードで加速する者たちは、先史時代のボンネビル湖の跡から作られた、広大で硬く、見通しの良い平面を駆け抜けました。
サンダーボルトがそのパワーを放つ前に、急に加速してもエイストンがコースを外れないように、塩原にコースを示す線が描かれました。
決定的瞬間は目の前。エイストンは、サンダーボルトのエンジンである、非常にパワフルなロールス・ロイスV12 'R'に点火しました。
弊社の伝統であるパワーを称え、WRAITHのテクニカル・エングレービングが、このコレクションカーのフェイシア全体にあしらわれています。このデザインでは、サンダーボルトのアルミボディを彷彿とさせる、純アルミの表面があらわになっています。
カウントダウンが始まりました。
サンダーボルトは一瞬にして飛び出し、ボンネビル・ソルトフラッツを疾走するその姿は霧のように見えました。セレブレーション・シルバーからブラック・ダイヤモンドへと移り変わる、Black Arrow独自のビスポーク・グラディエント・ペイントは、サンダーボルトのかつてないスピードと、モーションブラー効果を表現しています。
サンダーボルトは、あっという間に最高速度357.497mphに達し、陸上速度記録を塗り替え、スピードの巨匠の座に返り咲きました。
この歴史的な日が暮れて夜になると、ボンネビル・ソルトフラッツの上空には祝福の星が輝きました。その星空は、コンステレイション・ヘッドライナーに正確に再現されています。
Black Arrowは、歴史的な挑戦と勝利の瞬間を伝えているのです。
ロールス・ロイスが大胆な電動化の未来に乗り出す中、WRAITHは弊社のモデルとして輝かしく幕を閉じます。Black Arrowは、WRAITHというクーペの偉大な遺産と素晴らしくパワフルなエンジンを記念しています。
「このV12クーペの最後となる壮大なコレクションは、ブランドの特徴である比類なきビスポークの能力を通して、WRAITHの意義と精神を表現しています。この斬新なクルマにふさわしいフィナーレです。」
